逆流性食道炎

胃の内容物に含まれる胃液の中の胃酸などが食道へ逆流すると、食道の粘膜が胃酸にさらされます。それによって、粘膜がただれてびらんになり、ひどくなれば潰瘍を認める病気のことを言います。

 

症状として

胸やけや口の中まで酸っぱいものがあがってくる感じやゲップが典型的な症状です。
(胸やけというのは喉元からみぞおちまで焼けた感じのことをいいます。ムカムカした感じ、何か上がってくる感じ、狭心症と紛らわしいような胸痛なども感じることがあります。)
その他にも喉の違和感やなにかがつまっている感じ、声のかすれ、咳が長く続いたりすることもあります。

原因
○生活習慣の問題
食べ過ぎ・早食い、高脂肪食・お酒・たばこで一過性に下部食道括約筋が緩み、胃酸が逆流しやすくなります。
食べてすぐ寝ることで横になった状態になり胃酸が逆流しやすい状態になります。
○おなかに圧力がかかる体型(前かがみ姿勢 肥満 背中が丸くなった人 妊婦)
おなかが押されるとその一部の胃が圧迫されるために胃酸が逆流しやすくなります。
○食道裂孔ヘルニア
食道と胃をつなぐ接合部と横隔膜はバンドでしっかり固定されていますが、そこがゆるくなると隙間ができる状態を言います。ゆるくなることで胃酸が逆流しやすい状態になります。
○薬の副作用
下部食道括約筋が緩むため逆流性食道炎がおこる場合があります。それは一部の降圧剤などです。また、ヘリコバクターピロリ菌の除菌後にも逆流性食道炎が起こる場合も少なからずありますが、軽度なことが多いです。

●診断
問診で胸やけや口やのどに酸味や苦い感じを認められた診断として可能性が高いです。
胃カメラで食道炎(びらんや潰瘍)を確認することが診断として重要です。
(症状を認めるが胃カメラで食道炎を認めない逆流性食道炎もあります)
そのときに食道炎の重症度の確認、癌や食道裂孔ヘルニアや他の病気が隠れていないかの確認をしていきます。

 

症状がつづく方は、一度は胃カメラの検査をオススメしています。
当院では口以外に鼻から挿入して検査も可能で、それでも苦しくてつらい場合は鎮静剤を使用での検査も可能です。

●治療方法
○薬物療法
酸分泌抑制薬:第一選択薬として使用され、胃酸の分泌を減らします。一般的によく効く薬です。
運動機能改善薬:逆流を防ぐ働きや食道の蠕動運動を高める薬です。
制酸薬:胃酸の中和する薬です

○生活習慣の改善
高脂肪食・お酒・たばこはへらして、食べ過ぎ・早食いを控える。
食事摂取後2~3時間は横にならない。

○その他
前かがみの姿勢、おなかに力をいれる運動、腹部をきつく締める服装を控える。